|
小規模企業共済による節税
小規模企業共済とは、小規模の個人事業主や会社の役員のための、退職金共済です。この小規模企業共済の掛け金は、所得税の金額の計算上、全額控除することができます。これを、利用すれば、節税が可能になることもあります。
では、具体的な例をもとに見ていきたいと思います。
A株式会社の社長甲さんの役員報酬は、年間1,200万円、社会保険料は年間100万円、扶養親族はいません。甲さんは、会社の業績が好調で、法人税等の負担も大きいため、報酬を上げたいと考えています。でも、報酬を上げると個人の所得税の負担もばかにならないので、なんとかならないか、悩んでいました。
そこで、報酬を月当り7万円上げるのと同時に小規模企業共済に加入(月当り掛け金7万円)することにしました。
この場合、
1 現在の所得税額
2 報酬を7万円アップした場合(小規模企業共済に加入しない)の所得税
3 報酬のアップと同時に同額小規模企業共済に加入した場合の所得税
について比較してみました。
|
1 |
2 |
3 |
| 報酬 |
12,000,000 |
12,840,000 |
12,840,000 |
| 給与所得控除 |
△2,300,000 |
△2,340,000 |
△2,340,000 |
| 所得金額 |
9,700,000 |
10,498,000 |
10,498,000 |
| 社会保険料控除 |
△1,000,000 |
△1,000,000 |
△1,000,000 |
| 小規模企業共済 |
0 |
0 |
△840,000 |
| 基礎控除 |
△380,000 |
△380,000 |
△380,000 |
| 課税所得金額 |
8,320,000 |
9,118,000 |
8,278,000 |
| 税金の計算 |
×20%△33万円 |
×30%△123万円 |
×20%△33万円 |
| 所得税 |
1,334,000 |
1,505,400 |
1,325,600 |
前提:定率減税は廃止
上記のように、報酬を月当り7万円アップした場合、甲さんの所得税は、年間171,400円増えることになります。しかし、それと同時に、小規模企業共済に同額加入した場合には、所得税の負担が増えることなしに(逆に、給与所得控除分だけ所得税が8,400円減少)、会社の経費を年間84万円増やせます。仮に、会社の所得に対する法人税等の実効税率が40%だとすると、年間33万円程度(84万円×40%)の節税になります。
この退職共済の受領時は、原則として、退職所得として課税されます。ただし、退職所得には、退職所得控除(勤続20年で800万円、30年で1,500万円、40年で2,200万円)があり、しかも、収入金額からこの退職所得控除を差し引いた金額の半分(2分の1を掛けた金額)に対して税金が課されるため、給与所得に比べ、税負担はかなり軽くなります。
この小規模企業共済には、常時使用する従業員数が20人以下であることなど加入要件があります。更に、掛け金は月額7万円が上限です。
(2006・08・06)
墨田区の税理士栗城慎一のホームページ
|